[最終回]リーダーシップ育成に改革をもたらす、オンライン・コーチングが大ブーム Part3

2022年1月26日のJosh BersinのBlog記事を3回に渡り連載します。

Part 3 コーチングを全ての社員へ

〜コーチングやメンタリングをリーダシップ育成プログラムに組み込む事で、より幅広い層のリーダを育成することが可能になる。コーチングは、他の育成アイテムとは違い問題を即座に解決し、即戦力につながる。また、以前はコーチングはとても高価なもので、一部のエグゼクティブにしか提供できなかったが、オンラインコーチングで企業は全ての社員にコーチングの投資ができるようになってきた。AIも高度化してきており、セッションをモニターして、コーチ(と参加者)が重要な問題を特定し、セッションをより良いものにするためのツール出てきた。今後はVRやメタバースなど最新テクノロジーを使ったオンラインコーチングの市場も注目したい。〜

リーダーシップ・プログラムにコーチングを組み込む

・多くのベンダー(Torch、SoundingBoard)は、正式なリーダーシップ開発プログラムにおいて、コーチングの活用に重点を置いている。これは、リーダーシップへの道を豊かにし、そのプロセスに新たなレベルの自己発見を生み出すものだ。従来のリーダーシップ育成は、研修、専門家によるセミナー、幹部教育、ジョブローテーション、360度評価、フィードバックなどを含む数年がかりのプログラムである。コーチングは、問題をスムーズに解決するために使われることが多い。

・現在では、オンラインコーチングモデルのおかげで、企業はコーチング(およびメンタリング)を全員を対象とした正式なプログラムに組み込むことができるようになった。

Torchの利用社であるFICO社(信用スコアリング会社)は、4つのレベルのプログラムを通じて何百人ものリーダーを育成している。トーチのプラットフォームとソリューションを使って、彼らはコーチング(プロのコーチ)とメンタリング(社内のビジネスリーダーが指導者)をカリキュラムに組み込んでいる。

コーチングを全ての人へ

・以前は多くの大企業がエグゼクティブ・コーチングに1セッション2000ドルから3000ドルを費やしているのが当然だった。これらの企業は、経営幹部の育成、業績向上、問題解決のために、特別に選ばれたコーチを雇っていた。それは高価で、配給制であり、最高のパフォーマンスを発揮する人たちだけのものだった。

新市場はこの解決策を民主化する。すべての従業員、すべての上司、そしてすべてのマネージャーがコーチを持つことができるようになった。コーチングネットワークベンダーを利用すれば、1セッションあたりのコストは200ドル程度となり、企業は全員を対象にコーチングに投資できるようになった。

・この市場の背景には、コーチの認定(国際コーチ連盟)、コーチの育成(ワールドビジネス・エグゼクティブコーチサミット)、ベンダーによる育成や指導という重要な産業があるりAIも活用可能だ。。

例えばBetterUpやSoundingBoardは、セッションをモニターして、コーチ(と参加者)が重要な問題を特定し、セッションをより良いものにするためのツールを備えている。この種のAIは日々高度化しており、実際のコーチングセッション中に参加者(とコーチ)にナッジを与えるオンラインコーチングツールが出てきても不思議ではない。

Cultivateはさらに進んで、人間のコーチを補完するAIベースのコーチを提供。PwC、BASF、SAPなどの企業は、リーダーがより包括的になり、より良いコミュニケーションをとり、コラボレーションを管理できるようにするためにこれを使用している。Humuもこのように、独自のナッジシステムを使って、仕事の流れの中でソフトスキルを習得できるようにしている。

・実は、これはまだ初期段階にある巨大な市場です。オンラインコーチングは、3,600億ドルの企業研修業界の中で最も急速に成長しているセグメントの一つであるだけでなく、企業は心理学者やメンタルヘルス専門家を見つけるためにこれらのプラットフォームを使用している。例えば、BetterUp CareとSpringHealthは、レジリエンス、ストレス軽減、メンタルヘルスの介入にこの種の市場提供を適用している。

そして、メタバースがこの領域にどのような影響を与えるか想像してみたい。Mursionは、アバターベースのコーチングと能力開発(生身の人間がアバターを通じてシミュレーションを行いながらコーチする)を提供しており、その体験はさらに安全でより "ゲーム的 "に感じられます。すべてのコーチがアバターに変わるとは言わないが、これがどのような方向に進むかはおわかりいただけると思う。

今こそ、リーダーシップ育成戦略を見直す時期だ。オンラインコーチングは、明らかにこの先も続くだろう。

0コメント

  • 1000 / 1000