2020年12月10日にピープルアナリティクスを語るラウンドテーブルを行いました。今回は三菱ケミカルさんのピープルアナリティクス の取り組みを議題に、SAP SuccessFactorsのユーザー7名が参加しました。
三菱ケミカルのピープルアナリティクスの取り組み例
ジョブ型先行企業三菱ケミカルが目指す「データドリブン」人事
https://project.nikkeibp.co.jp/HumanCapital/atcl/column/00011/111700004/
全体のストーリーを描くことでデータドリブン人事を加速
https://project.nikkeibp.co.jp/HumanCapital/atcl/column/00014/101300001/
ここではいくつか三菱ケミカルさんへの質疑応答を紹介いたします。
Q: 経営からの後押しは?経営の観点からどう生かしているのか?そしてその意味づけは?人事と経営の握りの背景が聞きたい。
A: 経営層の理解はあり、DXを進めようという全体の取り組みが,ピープルアナリティクス の取り組みと合致した。人事だけではなく、研究分析と解析で活用することが多いい。なので経営層の理解が高い。2017年ホールディングスで、ヘルスケアの一元管理とも合致するのが背景。
Q: 費用対効果について教えてもらいたい。
A:費用対効果は、効果があるかはわからない。検証はできていないが、small startで始めるのが大切だと思う。小さな成果から、ダッシュボード効果はある。エクセルでレポートを作っていたのが、ダッシュボードで運用体制の効果は出ている。アンケートのテキスト分析で時間がかからなくなった。分析ツールの利用料は取っていない。
Q:体制は?専門家がいるのか?
体制は検討中。現在人事の専門家は1名。将来的にはピープルアナリティクスチームが必要になってくるとは思う。4~5人ぐらいの体制を考えたい。ビジネスサイドよりまたは専門的な人材が半分半分いるのが理想。また、育成を強化している。
Q: データドリブンに移行してからの、データドリブンHRの価値、役割がどうかかわっていくのか?
A: 今まではオペレーション的であったが、より現場に寄り添うパートナー、コンサルで関わることが大切。ダッシュボードはレポートを作って経営に渡していたが、経営がそのまま見て、意思決定ができるように、コンサルができるところが人事の役割になる。AIといっても最後は人間の目が見るのが必要。人間が解釈して、説明するのが人事の役割。ラインマネージャから経営層まで、個人までのダッシュボードを見て、アクションを考えて動けることをサポートするのが人事の役割。
Q: センシティブなデータをとるのは難しいと思うのですが、どう工夫しているのか?
A: データの取り扱いは本当に難しい。社員の同意と目的を毎回取らないといけない。年に1度しか分析できない。一括でデータを匿名化して紐付けするシステムを考えている。
Q: ハイポ分析、管理者の適正をやっているが、出てきた結果から人事が現場にどう持って行っているのか?
A: 現場からは理解を得られていない。管理職を増やすということにしても、現場には受け入れてもらえない。現場の声を聞く、現場のニーズを引き出すことを優先する。よく聞いてニーズを引き出す、課題を引き出して、それに答えるといい結果も出る。また、現場に取ってわかりやすい言葉を使うことを気をつけている。
Q: 階層や部門別など、経営のニーズに応じて、どう進めているのか?
A: 階層や部門によって合わせた対応をしなければいけないと考えている。全部には対応できていないが、少しずつ対応していきたいと思う。ダッシュボードは役員向けに提供している。ES surveyのフィードバックはラインマネージャに公開。従業員に対して役に立つ分析。パルスサーベィで、メンタル的な状態を取ってフィードバックなどができればいいと思う。EXを最大限に出すために取り組みたいと思う。
ピープルアナリティクスの取り組みは、経営層ももちろんの事、現場のマネージャや社員それぞれが理解しポジティブに取り組む事で結果につながる事、まだまだの取り組みであっても、構えず最初はスモールスタートで実績を作る事が大切。ピープルアナリティクス 時代のHRはより戦略的に経営層とパートナーシップを築く役割になると言う事を実感したラウンドテーブルでした。
リーダーの意思決定を促すデータアナリティクスは今後急速に発展していくと実感したラウンドテーブルでした。
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